shoushouteiのブログ

落語を語ってます!

落語雑感!モチーフが同じ落語

「宿屋の仇討」と「庚申待」

いずれも上方落語の宿屋仇(やどやがたき)が元。

日本橋宿屋仇」とも言う。東京では「宿屋の仇討」との演目名で演じられ、大阪では5代目笑福亭松鶴、3代目桂米朝が、東京では3代目桂三木助、5代目柳家小さんが得意とした。宿屋に隣り合わせとなった三人の町人と侍の噺。昔の懺悔話に隣座敷の侍が仇討をすると言って縛り上げるが嘘だったと言う噺。

 また、5代目古今亭志ん生は「庚申待」で演じていた。「甲子待」は60日に一度めぐってくる庚申の宵に夜明かしし、七色菓子をあげ、甲子様に夜伽噺をする。その中で懺悔話をした者があり、隣座敷の侍が仇討すると言う嘘。いずれも、ゆっくり寝たいという動機は、同じモチーフ。

 

「兵庫船・桑名船」と「鮫講釈」
原話は、文化年間に出版された笑話本『写本落噺桂の花』の一編「乗り合い船」と1769年(明和6年)に出版された笑話本『写本珍作鸚鵡石』の一編「弘法大師御利生」だそうです。

 主な演者に、上方の6代目笑福亭松鶴、二代目桂枝雀や東京の5代目三遊亭圓楽、5代目立川談志が演じる。最近では、講釈の神田伯山がやっていました。

 モチーフは、船が止まる。物を投げると流れるとOK、沈むと鮫の餌になるということ。

 

酢豆腐」と「ちりとてちん

酢豆腐は、落語の演目。原話は、江戸時代中期の1763年(宝暦13年)に発行された『軽口太平楽』の一編である「酢豆腐」。

  これを、明治時代になって初代柳家小せんが落語として完成させたもの、8代目桂文楽が十八番にした。さらに、3代目柳家小さんの門下生だった初代柳家小はんが改作した物が、後述する「ちりとてちん」で、これは後に大阪へ「輸入」され、初代桂春団治が得意とした。

  この「ちりとてちん」は後にもう一度東京へ「逆輸入」され、5代目柳家小さん、現在では、柳家さん喬柳家花緑らも演じており、東京の寄席でもなじみのある噺となっている。