shoushouteiのブログ

落語を語ってます!

落語雑感!「粗忽」

落語には、長屋の八五郎熊五郎が観音様の「行き倒れ」を勘違いする「粗忽長屋」、杉平柾目正の家来の地武太治部右衛門が使者として、赤井御門守の屋敷に行き騒動になる「粗忽の使者」を5代目柳家小さん師匠で聞いたことがある。また、寄席で頻繁にやられるネタに「粗忽の釘」というのがある。上方では、「宿替え」という名前で演じられるそうですが、原話は、1816年初代都喜蝶の「噺栗毛」の中の「田舎の粋」というそうで、初代春團治師匠、東京では、6代柳橋師匠、5代小さん師匠が有名だそうです。

さて、粗忽とは、与太郎さんの愚か者とは、些かニュアンスが異なり、辞書には、「注意や思慮が、足りないこと。」と書いてあるが、粗は、雑な感じ、忽は、「ゆるがせ」物事をいいかげんにしておくさま。なおざり、おろそか。平安時代後期の「いるかせ」の音が変化して「ゆるかせ」となり、「ゆるがせ」になったもの。

「今は昔」で始まる「今昔物語集」には、「何ぞ僧をいるかせにせんや」というくだり有り。