shoushouteiのブログ

落語を語ってます!

落語雑感!紀州

御三家とは、 落語「紀州」には、「御三家から直るという事が決まっておりまして」という件と橋、舟木、西郷という死語の擽りもありますが、本当にそうなのでしょうか? 征夷大将軍は、右大臣、源氏長者という位を天皇陛下から与えられた。 これになるために…

落語雑感!!木津の勘助

浪花侠客伝のうち、木津の勘助は、講釈や浪曲ネタで、YouTubeでは、笑福亭鶴光師匠やお弟子の里光師匠が、落語としてあげている。 この噺に出て来る豪商「淀屋」は、実在で材木問屋だけでなく、魚の干物を扱う雑喉場(ざこば)市を設立したり、また 米価の安…

上方名残!大国さん恵比寿さん

桂 米朝師の「げんげしゃ茶屋」という古い噺では、大店の主が、世話をしているミナミの芸者国鶴が「げんげしゃ」つまり験をかつぐのを揶揄ってわざと縁起の悪いことをいう展開。国鶴が初詣に連れて行って欲しいとのやりとりで木津の大国さんと恵比寿さんが出…

江戸名残!芝西久保八幡

神谷町駅から5分ぐらいに霊友会の巨大な建物の隣りの小高い丘の上にありました。江戸時代よりは狭くはなっているんでしょうが、そこそこ広い境内で八幡様の他に稲荷社と柿本人麿を祀った人麿社がありました。 ここで阿武松も相撲を取ったと思うと考え深い。

落語雑感!「阿武松」④勧進相撲

「文化12年12月、麹町10丁目の法恩寺の相撲で初めて番付に載り、序の口裾から4枚目、小緑常吉、翌13年2月芝西久保八幡の番付では、序二段裾から24枚目、100日余りの間に番付を60数枚飛び超えた古今に稀な大出世」 相撲興行の時には、入り口に立札や番付に「…

落語雑感!「阿武松」③板橋宿の立花屋

江戸から一番近い宿というと江戸四宿となります。品川に新宿(内藤新宿)、板橋に千住というのが、江戸四宿。 板橋宿は日本橋からはじまる中山道最初の宿です。平尾宿(ひらおじゅく)・仲宿(なかじゅく)・上宿(かみじゅく)に分かれ、2キロメートル弱に旅籠屋や…

落語雑感!「阿武松」②根津の七軒町

根津の七軒町に住む錣山喜平治に二度目の弟子入りする展開。この七軒町は、千代田線「根津駅」から東大方面にいく忍小通りの辺り、台東区池之端二丁目。 この当時の錣山喜平治は、本名大橋清五郎という4代目の錣山喜平治で石碑では、6代目となっています。こ…

落語雑感!「阿武松」①京橋の観世新道

落語「阿武松」には、気になる地名が出て来ます。「黄金餅」の言い立てほどではありませんが、これを解明していくシリーズでお送りします。まず、「京橋の観世新道に武隈文右衛門という幕の中軸〜」から始まりますが、嘉永6年近吾堂版の切絵図に「新両替町2…

特別篇「上方名残!」坐摩神社

いつもは、東京の街の江戸名残を載せていますが、大阪出張の空き時間を使って、特別篇「上方名残」をお届けします。場所は、大阪市内の本町(ほんまち)地元の人は、(ざまさん)と呼ぶ、坐摩神社(いかすりじんじゃ、ざまじんじゃ)は、大阪市中央区久太郎町4丁…

落語雑感!手水回しー貝野村

落語には、「対比の笑い」というジャンルがあるように思います。男と女、侍と町人、その中に田舎の人と都会の人も重要な対比。 方言を揶揄するのは、現代では微妙なところもありますが、手水回しは、逆に町の言葉が分からない。落語「勘定板」は、田舎の言葉…

落語雑感!与太郎さんと松公

江戸落語では、八っつあんに熊さん、横丁のご隠居さん、人のいいので甚兵衛さん、馬鹿で与太郎とか申しますが、上方の方では、抜けているのが、喜六。めはしのきくのが、清八とか、言います。やはり、ボケとツッコミの世界でしょうか。甚兵衛さんは、上方で…

落語雑感!錦の袈裟

落語「錦の袈裟」は、与太郎さんが、お寺の和尚さんに錦の袈裟を借りて、褌(ふんどし)にする不埒な噺。 袈裟は、古代インドで出家した僧が使用していた三衣の発展したものだそうです。三衣とは、重衣(大衣)上着衣(上衣)中着宿衣(中衣)三種類の袈裟。大衣は正…

落語雑感!下げが同じ落語

上方落語「鯉船」と「権平狸」 鯉船は、桂米朝師匠だけと思いますが、回りの髪結い磯七。町内では便利屋、愛嬌者で世話好き。花代のかからない幇間のような男で町内では人気者です。 ある若旦那が東横堀に船を浮かべて網打ちに行こうというのを、磯七が橋の…

落語雑感!モチーフが同じ落語

「宿屋の仇討」と「庚申待」 いずれも上方落語の宿屋仇(やどやがたき)が元。 「日本橋宿屋仇」とも言う。東京では「宿屋の仇討」との演目名で演じられ、大阪では5代目笑福亭松鶴、3代目桂米朝が、東京では3代目桂三木助、5代目柳家小さんが得意とした。宿…

江戸名残!泉岳寺と長松寺

泉岳寺は、赤穂浪士が眠っています。 萬松山泉岳寺 大石内蔵助の墓 大石内蔵助の像 荻生徂徠先生が眠っている長松寺 史跡 長松寺山門 荻生徂徠先生の墓 物部氏だそうです。

落語雑感!和歌と落語

もうすぐ新年。百人一首を取り合う風景もあまり見なくなりましたが和歌と落語について考えたいと思います。 落語と和歌の関係で有名なものとして、『崇徳院』は、小倉百人一首77番の崇徳院の和歌「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思…

落語雑感!荻生徂徠先生—-出世豆腐

江戸時代の俳諧師宝井其角が「梅が香や隣は荻生惣右衛門」 と詠んだ句は、本当に荻生徂徠の私塾が隣にあったそうです。講談、浪曲そしてそれらを元にした落語で有名な「徂徠豆腐」「出世豆腐」という演目があります。元禄時代の儒学者「荻生徂徠」先生は、父…

落語雑感!暮れの落語

「春浮気、夏は陽気で秋ふさぎ、冬は陰気で暮れはまごつき」いよいよ今年も師走を迎えております。師走とは、「家々で僧(師)を迎えて読経などの仏事を行うため(師)が東奔西走するころ」ということで「師馳せ月」をなまったものらしい。落語の題材には、…

落語雑感!サイコロ賭博の落語

サイコロは、「一天、地六、東五、西二、南三、北四」 向かい合わせを足すと、七つになります。サイコロは、 お釈迦様が昔、人集めのためにこしらえたもので、 その証拠に賭博をやるところを「堂」と申しまして、 賭博をやることを「ご開帳」、無一文になる…

江戸名残!淡島堂(浅草寺内)

落語「夢の酒」には、夢を司る神様として、淡島様というのが出てくる。和歌山市加太の淡嶋神社を総本社とする全国の淡島神社や淡路神社の祭神であるが、多くの神社では明治の神仏分離などにより少彦名神等に置き変えられている。淡島神を祀る淡島堂という寺…

江戸名残!椙森神社

落語「富久」の舞台、椙森神社、人形町交差点から程近く。江戸三森、江戸三富だそうです。富冢があり、なんか宝くじが当たりそうです。また、ジャンボ宝くじでも買った時、来て見よう!

落語雑感!野菜の落語

落語には、八百屋さんが良くでてきます。 ○「かぼちゃ」 落語で「かぼちゃ」と言えば、「かぼちゃ屋」別題は「唐茄子屋」。原話は、安楽庵策伝が元和2年に出版した『醒睡笑』第五巻の「人はそだち」だそうです。元々は「みかん屋」という上方落語の演目で、…

落語雑感!相撲ネタ

落語には、相撲ネタというジャンルがある。全戦全敗という「大安売り」、上方落語の「相撲場風景」、谷風の情け相撲を描いた「佐野山」そして地域巡業を描いた「花筏」、そして6代横綱の出世を描いた「阿武松」がある。 相撲のは、古事記(712年)や日本書紀(…

落語雑感!住吉踊り開幕

浅草演芸ホール「令和元年住吉踊り」初日に行ってきました。イケメン踊りの皆さんと全員の集合写真です。伝統の中にも現代の若者の粋をミックスした素晴らしいエンターテイメントでした。

落語雑感!「死神」

落語「死神」は、圓朝師作ですが、グリム童話を基にした珍しい噺。 グリム童話の「死神の名付け親」は、貧乏な男のもとに子が生まれる。男は名付け親のなり手を捜し街道に出た。神、悪魔、死神と順に出会い、死神に息子の名付け親になってもらう。 成長した…

落語雑感!高尾太夫

落語「紺屋高尾」「反魂香」に出てくる高尾太夫について今回考えます。 入山形に二つ星(最高級の遊郭)三浦屋四郎左衛門の抱えが高尾太夫、その下のランクが入山形に一つ星(松葉屋)、その下が入山形だけ(玉屋、伊勢屋)と続きます。所謂大店、総間垣。歌舞伎の…

落語雑感!がいこく

落語「つる」には、もろこしからつるがやってきますが、もろこしとは、中国南方の越 (えつ) の国、現在の浙江 省付近だそうです。そこの諸国・諸族の「諸越」の訓読みからもろこしとなったとのこと。最初は、その地方をさしていたのが、しだいに中国全土をさ…

落語雑感!「かっぽれ」

末廣亭では5月の連休に芸協が、 浅草演芸ホールでは8月中席に落語協会に芸協から春雨や雷蔵師匠 と春風亭昇也さんも出演して行われる。 言わずと知れた古今亭志ん朝師匠が興行復活に尽力したことで知ら れ、志ん朝師によれば、「大阪の住吉神社の御田植神…

落語雑感!「粗忽」

落語には、長屋の八五郎、熊五郎が観音様の「行き倒れ」を勘違いする「粗忽長屋」、杉平柾目正の家来の地武太治部右衛門が使者として、赤井御門守の屋敷に行き騒動になる「粗忽の使者」を5代目柳家小さん師匠で聞いたことがある。また、寄席で頻繁にやられる…

落語雑感!夏の医者

上方落語に「夏の医者」という噺があります。米朝師匠や枝雀師匠、東京では、圓生師匠の音源が残っている。親父どんが「ちしゃ」を食べて腹痛になり、隣村の医者を呼んでくる途中の山道でウワバミに呑まれる噺。 その中に出てくる「ちしゃ」とは、今で言うカ…