shoushouteiのブログ

落語を語ってます!

2019-01-01から1年間の記事一覧

江戸名残!泉岳寺と長松寺

泉岳寺は、赤穂浪士が眠っています。 萬松山泉岳寺 大石内蔵助の墓 大石内蔵助の像 荻生徂徠先生が眠っている長松寺 史跡 長松寺山門 荻生徂徠先生の墓 物部氏だそうです。

落語雑感!和歌と落語

もうすぐ新年。百人一首を取り合う風景もあまり見なくなりましたが和歌と落語について考えたいと思います。 落語と和歌の関係で有名なものとして、『崇徳院』は、小倉百人一首77番の崇徳院の和歌「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思…

落語雑感!荻生徂徠先生—-出世豆腐

江戸時代の俳諧師宝井其角が「梅が香や隣は荻生惣右衛門」 と詠んだ句は、本当に荻生徂徠の私塾が隣にあったそうです。講談、浪曲そしてそれらを元にした落語で有名な「徂徠豆腐」「出世豆腐」という演目があります。元禄時代の儒学者「荻生徂徠」先生は、父…

落語雑感!暮れの落語

「春浮気、夏は陽気で秋ふさぎ、冬は陰気で暮れはまごつき」いよいよ今年も師走を迎えております。師走とは、「家々で僧(師)を迎えて読経などの仏事を行うため(師)が東奔西走するころ」ということで「師馳せ月」をなまったものらしい。落語の題材には、…

落語雑感!サイコロ賭博の落語

サイコロは、「一天、地六、東五、西二、南三、北四」 向かい合わせを足すと、七つになります。サイコロは、 お釈迦様が昔、人集めのためにこしらえたもので、 その証拠に賭博をやるところを「堂」と申しまして、 賭博をやることを「ご開帳」、無一文になる…

江戸名残!淡島堂(浅草寺内)

落語「夢の酒」には、夢を司る神様として、淡島様というのが出てくる。和歌山市加太の淡嶋神社を総本社とする全国の淡島神社や淡路神社の祭神であるが、多くの神社では明治の神仏分離などにより少彦名神等に置き変えられている。淡島神を祀る淡島堂という寺…

江戸名残!椙森神社

落語「富久」の舞台、椙森神社、人形町交差点から程近く。江戸三森、江戸三富だそうです。富冢があり、なんか宝くじが当たりそうです。また、ジャンボ宝くじでも買った時、来て見よう!

落語雑感!野菜の落語

落語には、八百屋さんが良くでてきます。 ○「かぼちゃ」 落語で「かぼちゃ」と言えば、「かぼちゃ屋」別題は「唐茄子屋」。原話は、安楽庵策伝が元和2年に出版した『醒睡笑』第五巻の「人はそだち」だそうです。元々は「みかん屋」という上方落語の演目で、…

落語雑感!相撲ネタ

落語には、相撲ネタというジャンルがある。全戦全敗という「大安売り」、上方落語の「相撲場風景」、谷風の情け相撲を描いた「佐野山」そして地域巡業を描いた「花筏」、そして6代横綱の出世を描いた「阿武松」がある。 相撲のは、古事記(712年)や日本書紀(…

落語雑感!住吉踊り開幕

浅草演芸ホール「令和元年住吉踊り」初日に行ってきました。イケメン踊りの皆さんと全員の集合写真です。伝統の中にも現代の若者の粋をミックスした素晴らしいエンターテイメントでした。

落語雑感!「死神」

落語「死神」は、圓朝師作ですが、グリム童話を基にした珍しい噺。 グリム童話の「死神の名付け親」は、貧乏な男のもとに子が生まれる。男は名付け親のなり手を捜し街道に出た。神、悪魔、死神と順に出会い、死神に息子の名付け親になってもらう。 成長した…

落語雑感!高尾太夫

落語「紺屋高尾」「反魂香」に出てくる高尾太夫について今回考えます。 入山形に二つ星(最高級の遊郭)三浦屋四郎左衛門の抱えが高尾太夫、その下のランクが入山形に一つ星(松葉屋)、その下が入山形だけ(玉屋、伊勢屋)と続きます。所謂大店、総間垣。歌舞伎の…

落語雑感!がいこく

落語「つる」には、もろこしからつるがやってきますが、もろこしとは、中国南方の越 (えつ) の国、現在の浙江 省付近だそうです。そこの諸国・諸族の「諸越」の訓読みからもろこしとなったとのこと。最初は、その地方をさしていたのが、しだいに中国全土をさ…

落語雑感!「かっぽれ」

末廣亭では5月の連休に芸協が、 浅草演芸ホールでは8月中席に落語協会に芸協から春雨や雷蔵師匠 と春風亭昇也さんも出演して行われる。 言わずと知れた古今亭志ん朝師匠が興行復活に尽力したことで知ら れ、志ん朝師によれば、「大阪の住吉神社の御田植神…

落語雑感!「粗忽」

落語には、長屋の八五郎、熊五郎が観音様の「行き倒れ」を勘違いする「粗忽長屋」、杉平柾目正の家来の地武太治部右衛門が使者として、赤井御門守の屋敷に行き騒動になる「粗忽の使者」を5代目柳家小さん師匠で聞いたことがある。また、寄席で頻繁にやられる…

落語雑感!夏の医者

上方落語に「夏の医者」という噺があります。米朝師匠や枝雀師匠、東京では、圓生師匠の音源が残っている。親父どんが「ちしゃ」を食べて腹痛になり、隣村の医者を呼んでくる途中の山道でウワバミに呑まれる噺。 その中に出てくる「ちしゃ」とは、今で言うカ…

落語雑感!たち切れ線香

たち切れ線香という噺は、なんか切なくて好きな噺です。先代の文枝師匠や米朝師匠がやられますが、東京では、さん喬師匠のが、品があっていい。芸者さんの花代を線香で測るということは、芸者遊びに縁のないサラリーマンには、ロマンを感じます。 線香は、ど…

落語雑感!義太夫

落語には、義太夫が出てくる噺があります。「寝床」は、元々、安永4年(1775年)「和漢咄会」の一遍「日待」。上方では、「寝床浄瑠璃』明治中期に東京へ移入されたとのこと。8代目桂文楽、5代目古今亭志ん生、3代目古今亭志ん朝が印象的。最近では、昇太師…

落語雑感!タラもどき

酒の噺のマクラでは、「酒飲みは、奴豆腐にさも似たり、初め四角で、後はグズグズ」や 「酒は、愁いを払う玉箒」といいますが、玉箒(たまはばき)とは、正月の初子(はつね)の日の、玉を飾った儀礼用のほうき。また、初子の日に蚕室を掃除するところから、箒の…

落語雑感!珊瑚の五分玉

珊瑚の五分玉(さんごのごぶだま)は、三代目桂三木助師の秋刀魚火事という落語の中や先代金馬師の小言念仏のマクラで聴いたフレーズ。 秋刀魚火事では、地主のしわいやの番頭が、店のお嬢さんが草むらで珊瑚の五分玉を落としたので、探した者に褒美をやると…

落語雑感!土手の道哲

「闇の夜は、吉原ばかり月夜かな」見返り柳を後にして、土手の道哲、待乳山〜〜〜落語「文七元結」や「二階ぞめき」の一節。 「土手の道哲」とは、山谷堀から吉原へ行く途中の西方寺の土手がこれです。西方寺の開山は一説には念誉上人又は正覚上人、他の説に…

落語雑感!へっつい(竃)の噺

落語には、「へっつい」という現代人には馴染みのない道具が出てきます。火が使われるようになり、縄文人は、最初石を焼いて、その上で食物をただ押し当ててたものを先の尖った土器の回りで火を燃して煮炊きをするようになり、その後割木の上でやりやすいよ…

落語雑感!擬宝珠

落語には、不思議な噺(擬宝珠)があります。初代三遊亭園遊(実は、3代目)師の作だそうです。 擬宝珠(ぎぼし)は、橋や神社、寺院の階段、手すり、欄干の柱の上に設けられている飾り。ネギの花に似ていることから「葱台(そうだい)」とも呼ばれるそうです。 …

落語雑感!西行

落語には、西行という歌人の哀れなラブストーリーがある。北面の武士、佐藤兵衛尉憲清が絶世の美女 染殿の内侍に恋わずらい。「蝶(=丁)なれば二つか四つも舞うべきに三羽舞うとはこれは半なり」と詠まれたのに対し、憲清が「一羽にて千鳥といへる名もあれ…

落語雑感!千両みかんー蜜柑色々

落語「千両みかん」は、1個千両、1房百両で買って若旦那の病気を治すという噺ですが、江戸時代みかんは、旬の時期(秋から冬)いくらぐらいしたんでしょうか。 貞享2年(1685年)に紀伊国屋文左衛門が大儲けしたという話がありますが、当時、江戸では鍛冶…

落語雑感!銭の噺

江戸時代には、金、銀、銭の三種類が流通していたとのこと。俗に金は江戸、銀は上方、庶民は銭ということだが、これを交換するのが、所謂「両替商」というわけ。 銭は、一文銭、四文銭、百文銭、そのうち四文銭は、裏に波が書いてあったので、俗に波銭という…

落語雑感!火焔太鼓の嘘

火焔太鼓では、五十両、百両と包み金を出すところがあるが、包み金は、本当は二十五両(切り餅という) が一つとなっているので、落語の嘘と言うことになる。 また、火焔太鼓は、雅楽で使用する大変大きなものなので、志ん生の演習は、嘘と言うことになるが、…

落語雑感!青菜ー柳陰

元は、上方落語でしょうが、夏に良くやる落語に青菜というのがありますが、旦那が植木屋さんにすすめるのが、柳陰というもの。 『守貞漫稿』によると、みりんと焼酎をほぼ半々に混ぜたものを上方では「柳蔭(やなぎかげ)」、江戸では「本直し」と呼び、冷用…

落語雑感!「花筏」

落語「花筏」は、病気の関取の代わりに提灯屋が銚子に行き騒動がおきるという噺ですが、関取の四股名が花筏。綺麗な響きですが、花筏とは、散った桜の花びらが水面に浮き、それらが連なって流れていく様子のことです。その花びらの動く様子を筏(いかだ)に見…

落語雑感!「根岸の里の侘住い」

根岸と言えば、今は三平堂かも知れませが、八代目入船亭扇橋師匠が詠んだ「梅が香や根岸の里の侘住居」と言うのが、落語「茶の湯」の頃の閑静な舞台でしょう。また、根岸、お行の松と言えば、因果塚の由来ですが、「お行の松」とは、根岸・時雨が岡(現・台東…