落語雑感!錦の袈裟
落語「錦の袈裟」は、与太郎さんが、お寺の和尚さんに錦の袈裟を借りて、褌(ふんどし)にする不埒な噺。
袈裟は、古代インドで出家した僧が使用していた三衣の発展したものだそうです。三衣とは、重衣(大衣)上着衣(上衣)中着宿衣(中衣)三種類の袈裟。大衣は正装用で托鉢や王宮に招かれたときに着用。上衣は修行用、中衣は日常生活に使用します。
袈裟は当初、糞のように捨てられたボロ布をつなぎ合わせて作ったところから糞掃衣ふんぞうえとも言います。現在日本で使われている袈裟は、新品の布で作りますが、この名残りでわざわざ小片にした布を継ぎ合わせて作ります。
大衣は9ないし25の布片で作るところから九条衣(九条袈裟)上衣は七条衣(七条袈裟)中衣は五条衣(五条袈裟)といわれます。
インドでは僧侶は袈裟一枚で生活していましたが、北の方へ行く程、寒い時期これだけでは寒さを防げないので、しだいに下衣をつけるようになったそうです。
落語に出てくる錦の袈裟は、西陣織みたいなイメージでやってますが、錦というのは、錦糸(金や銀の糸)を織り込んだ織物で、西陣織や佐賀錦なんかが有名だそうです。
西陣織は、京都の先染め織物をまとめた呼び名である。綴、 錦(金襴)、緞子、朱珍、絣、紬などの多彩な糸を用いた先染めによる高級絹織物。
金襴緞子の「金襴」は綾地または繻子地に金糸を加えた織物のことであり、「緞子」は繻子で模様を織り出した織物のことです。これらの言葉を組み合わせて金襴緞子という四字熟語が成り立っています。また、「金襴」はきんらんと読み「緞子」はどんすと読みます。金襴緞子に帯締めながら〜花嫁御寮は〜
佐賀錦は、肥前国鹿島藩(現在の佐賀県鹿島市周辺)の御殿女中に受け継がれた織物。箔糸(金銀箔を漆で和紙に貼り、細く切ったもの)を経糸とし、絹糸を緯糸にするのが特徴である。鹿島錦とも。
どちらにせよ正に豪華絢爛!
褌とは、誠にけしからん!
今でも錦の布は、10センチで800円以上するそうですが、江戸時代は、いくらしたんでしょうか?