shoushouteiのブログ

落語を語ってます!

落語雑感!野菜の落語

落語には、八百屋さんが良くでてきます。

○「かぼちゃ」

落語で「かぼちゃ」と言えば、「かぼちゃ屋」別題は「唐茄子屋」。原話は、安楽庵策伝が元和2年に出版した『醒睡笑』第五巻の「人はそだち」だそうです。元々は「みかん屋」という上方落語の演目で、大正初年に4代目柳家小さんが東京に持ち込んだ。近年では5代目柳家小さんや7代目立川談志などが演じたので、柳家系の方が今でも演じています。

似た題名で「唐茄子屋政談」というのは、人情噺。主な演者に、東京では3代目三遊亭金馬、5代目古今亭志ん生、6代目三遊亭圓生、3代目古今亭志ん朝が、上方では4代目桂福團治が知られる。
商家の若旦那(東京では徳兵衛、上方では万蔵)は、道楽が過ぎて勘当。弱きを助けて、強きを挫くというパターン。

○「大根」

大根がでてくる噺としては、「鍋墨大根」という上方噺がある。前後の駕籠に大根を盛り上げ、おうこをギシギシとしならせて八百屋が長屋に入って来た。長屋のおかみさんが「一本、なんぼや」

八百屋 「六文でお願いしとります」

おかみさん 「ちいと負けえな」、八百屋が負からないと言うと、

おかみさん 「この大根全部で何本あるの」

八百屋 「ちょうど百本おます」

おかみさん 「そなら百本全部買ったら何ぼになる」

八百屋 「そりゃ、荷が片付くさかい、四百文でよろしいわ」

おかみさん 「ほな、一本四文やな。三本もらうわ」

八百屋 「そんな無茶言いなはんな」

おかみさんは四文なら長屋で荷の半分くらいは片付くと大声で、「お長屋の皆さん、八百屋さんが大根四文に負けてくれはるさかい、買うたげとくなはれ」と叫び、三本の太そうな大根を選んで家に持って来るように頼む。

 八百屋は一方的にかみさんに押されっぱなしでぼやくばかり。せめてもの抵抗と、かみさんが選んだのとは違うのを三本持って行く。十二文払おうとしてかみさんは選んだ大根と違うのに気づく。

おかみさん 「もっと太うて長い良(え)え大根や」

八百屋 「違わしまへんがな」

おかみさん 「さっき鍋の尻をガリガリかいて、手は鍋墨でこのとおり真っ黒や。この手で三本選らんだよって大根には黒い印が付いているのや」

「豆」

いわゆる「逃げ噺」の一種に、豆の行商人が長屋で大変な目にあう「豆屋」。お代わりを持ってきましたという落ちの「味噌豆」がある。

○「菜」

なんと言っても、夏の演し物の「青菜」。

○「茄子」

入船亭扇橋師匠、入船亭扇辰師匠がやる「茄子娘」が珍品だと思います。「親が茄子とも子は育つ」というサゲが印象的。