shoushouteiのブログ

落語を語ってます!

落語雑感!手水回しー貝野村

落語には、「対比の笑い」というジャンルがあるように思います。男と女、侍と町人、その中に田舎の人と都会の人も重要な対比。

方言を揶揄するのは、現代では微妙なところもありますが、手水回しは、逆に町の言葉が分からない。落語「勘定板」は、田舎の言葉が町の人が勘違い、逆を扱っている。

この「手水回し」という言葉は、今で言えば、朝の洗面ですが、関西圏の古い言葉でしょう。

貝野村という噺の一部だそうで、諸説あるとは思いますが、文化11年、十返舎一九の「木曽街道膝栗毛」に似た噺があるようです。

五篇下巻

地頭の役人が、庄屋さまに泊まって「早く手水を回せ」というので、福禄寿というあだ名の男が頭を回したという話。

 

貝野村がどこか?北陸あたりか、東北あたりか、先代の小南師匠がおやりになった時、出身地の丹波にしたのが、以後の噺家さんに影響しているとのこと。最近では、雀々師匠や歌武蔵師匠のが、YouTubeにありますが、東京では、海野村になっている。

「手水」を長い頭と勘違いして、頭を回すという誠に舞台向き、仕草落ちっぽい展開で実に面白い噺。