shoushouteiのブログ

落語を語ってます!

落語雑感!暮れの落語

「春浮気、夏は陽気で秋ふさぎ、冬は陰気で暮れはまごつき」いよいよ今年も師走を迎えております。師走とは、「家々で僧(師)を迎えて読経などの仏事を行うため(師)が東奔西走するころ」ということで「師馳せ月」をなまったものらしい。落語の題材には、貧乏人と掛取りというやりとりがピッタリはまるのかもしれません。また、昔の江戸は火事早いところで、冬火事も多く題材となっています。

当代市馬師匠や文治師匠がおやりになる「掛取り万歳」は、ツケが払えない亭主が、掛取りに来る人の趣味に合わせて狂歌、喧嘩、歌舞伎、万歳などをやってはぐらかすという噺。「貧乏をすれどこの家に風情あり。質の流れに借金の山」、ツケの金を女将さんが工面をする「加賀の千代」、掛取りを眼光鋭く追い返す「睨み返し」、掛取りの言い訳を上手な座頭に頼む「言訳座頭」。

娘の身売り噺としては、「文七元結」、火事も絡むと「鼠穴」、魚屋の賢い女将さんが除夜の鐘とともに嘘をばらす名作「芝浜」、年末に火事で焼け出された男が富くじに当たる「富久」、女将さんのお尻で餅つきの音を出す「尻餅」、年越しの銭を借りておいてと女房に言われ、成り行きで泥棒と間違われる「穴泥」。

煤払い(大掃除)が発端となる「お神酒徳利(三遊亭版)」「柳田格之進」、ふらふらしている与太郎が年末のアルバイトをする「厄払い」、火の用心の夜回りを題材にした「二番煎じ」、深々と雪降る大晦日の晩「福禄寿」などなど落語は面白い。